サッカーは丁寧にでいいのか?
サッカーの指導現場で、「丁寧に!」という言葉をよく耳にすることがあると思います。
ですが、サッカーの全てのプレーにおいて何をもって丁寧というか決めつけてしまうと、子供たちのプレーの幅が狭くなってしまうことに繋がりかねないので注意が必要です。
例えば、丁寧にするプレーとしてインサイドキックがありますね。
ボールに当てる足の面積が広い足の内側を使うことで、コントロールもしやすい正確なキックが出来る代表ともいえます。
それこそ、味方に丁寧にボールを繋ぐ局面などで多く使われるこのキックは、指導する側からしても安心感があるプレーに見えます。
反対に、ボールに触れる面積が狭いアウトサイドキックは、インサイドでボールを蹴るのに比べて雑なプレーとして見られることも多いように思います。
ですが、その瞬間に相手の逆を突くことが出来るようなら、雑なプレーと断言することはできないかと。
むしろ、アウトサイドで蹴るほうが、丁寧である可能性が高いです。
子供にサッカーを教える時に、丁寧イコールインサイドキックという指導は、子供の選択肢の幅を狭くして、アウトサイドキックを蹴り出すための体の動きを身につけることを出来なくさせてしまうかもしれません。
丁寧にという指導がサッカーにおいて大事というのは間違いないと思いますが、唯一の正解といえるのは、その状況に応じた丁寧なプレーを選択できる柔軟性をもって、試合での相手の駆け引きが出来るように教えていくことが大切だと思います。
例えば、おへそを向いている方向にインサイドキックで蹴れば、簡単に相手にパスする方向がばれてしまいますよね。
そこでいつもは使わないアウトサイドキックやヒールキックを蹴り出してみたりと、選択肢はインサイドキックだけじゃなくて、相手にばれない方法を選択することが大切です。
日本人はとかく真面目なので、学んだことや覚えたことは素直に表現しがちですが、サッカーでは常に相手との駆け引きがあり、それを制することで初めて相手に勝つことが出来ます。
キックなら、蹴り方の基本を習得したら、次の段階では学んだことを如何にして相手との駆け引きに利用するか。
もし、インサイドキックで蹴り出す子供のおへそや目線が同じ方向を向いていたら、その動きに駆け引きがあるかどうかを、親御さんはチェツクしてあげてください。
そうすれば、試合で大活躍すること請け合いです。